○泉州南消防組合救急教育訓練実施要綱
平成29年9月29日
泉州南消防組合消防長訓令第11号
(目的)
第1条 この要綱は、泉州南消防組合救急業務規程(平成28年泉州南消防組合消防長訓令第11号。)第38条第2項により、救急業務に携わる職員が、病院前救護に必要な医学的な知識と技能を維持、修得し、人命に携わる者としての資質の向上を図るための教育訓練実施について必要な事項を定める。
(1) 救急業務に携わる職員とは、救急救命士を含む救急隊員をはじめ、救急支援隊として出動する消防隊や救助隊並びに口頭指導に関わる通信指令員など、救急業務に関わる全ての消防職員をいう。
(2) 指導救命士とは、救急業務に携わる職員に対する専門的知識の習得及び技術の向上に向けた教育並びに訓練の充実を図り、メディカルコントロール体制の下、救急活動の質を向上させることをその主たる業務として行う指導的立場の救急救命士をいう。
(3) 運用救命士とは、日常的に、救急業務において救急救命士法(平成3年法律第36号)第44条に定める処置を含む救急救命処置をその業として行う救急救命士をいう。
(4) 非運用救命士とは、前2号以外の救急救命士をいう。
(5) 新任救急隊員とは、救急業務従事開始から1年未満の運用救命士以外の救急隊員をいう。
(6) 兼任救急隊員とは、救急業務従事開始から1年以上の実務経験を有する、運用救命士以外の救急隊員で、救急車以外の消防用自動車と乗換えで救急業務に従事している者をいう。
(7) 専任救急隊員とは、救急業務従事開始から1年以上の実務経験を有する、運用救命士以外の救急隊員で、専ら救急業務に従事している者をいう。
(救急教育管理者及び救急教育担当者の選任)
第3条 署長及び指令課長並びに救急課長(以下、「署長等」という。)は、自所属及び所属管轄分署の課長代理級以上の職にある者のうち救急救命士若しくは救急業務経験が豊富な職員の中から1名、救急教育管理者を選任し、これを指揮監督して救急業務に携わる職員への教育が効果的に行われるよう、教育環境の整備に努めなければならない。
2 救急教育管理者は、自所属の係長又は主任級の職にある者のうち、指導救命士若しくはこれに準ずる運用救命士で、教育訓練の履修状況が良好で、かつ、教育指導を担うに相応しい者の中から、両警防課若しくは両警防課担当に1名ずつ救急教育担当者を選任し、これを指揮監督して救急業務に携わる職員への教育及び訓練を実施させなければならない。
3 前2項について、資格状況等から該当者が無い場合にあっては、署長等の裁量で各項の規定に準じた職員を選任出来るものとする。
(救急教育管理者及び救急教育担当者の任期等)
第4条 救急教育管理者の任期は2年とし、救急教育担当者の任期は1年とする。なお、再任は妨げない。
2 救急教育管理者及び救急教育担当者が、人事異動や事故等により不在の時は、それぞれの選任権者がその代理者を指名し、遂行可能な範囲において、その職務を代理させるものとする。なお、当該事故等による不在の期間によっては、選任権者の裁量で交替等の措置を講ずることが出来るものとする。
(1) 運用救命士教育 運用救命士には、大阪府救急医療対策審議会救急業務高度化推進に関する部会が定める救急救命士に対する生涯教育ガイドライン(以下「生涯教育ガイドライン」という。)に準拠した教育を履修させること。
(4) 専任救急隊員教育 専任救急隊員には、別表1―3に定める重要項目を年間50単位以上履修させること。
2 救急教育管理者は、救急救命士養成課程研修派遣予定者には、研修派遣年度の前年度と前々年度の2年間で、合計120単位分の教育訓練を実施させなければならない。
3 署長等は、年度途中における人事異動等で本条第1項に定める教育訓練の履修が困難な者がある場合には、救急教育管理者に指示して教育訓練の履修が可能な期間を考慮した個別の履修単位を設定するなどして必要な教育訓練を履修させることとする。
3 前条第1号の教育訓練の履修状況の記録等の取り扱いについては、生涯教育ガイドラインを準用する。
4 救急教育管理者は、前2項の記録を確認した上で、自所属の長へ提出し確認を受けなければならない。
5 署長等は、前項の記録を確認した上で、記録を保存、管理するとともに、救急教育管理者に対し、救急教育訓練の履修状況の改善を指示するなど、必要な措置を講ずるものとする。また、救急課長からの求めに応じ当該記録を提出するものとする。
(その他)
第7条 この要綱に定めるほか、その他必要な事項については警防部長が決定する。
附則
附則(令和3年3月8日消防長訓令第4号)
(施行期日)
1 この訓令は、令和3年3月8日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際、現にある改正前の様式は、改正後の様式によるものとみなす。
附則(令和4年3月23日消防長訓令第8号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和5年3月22日消防長訓令第10号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
(別表1―1)
新任救急隊員教育
区分 | 項目 | 内容 | 1回あたりの単位 | 重要項目 |
教育項目・単位 | ||||
個人教育 | 観察等 | 状況観察、初期評価 | 1 | ● |
血圧・血中酸素飽和度などのバイタル | 1 | ● | ||
応急処置 | 口腔内清拭、吸引、咽頭異物除去 | 1 | ● | |
用手気道確保 | 1 | ● | ||
BVMによる人工呼吸、胸骨圧迫 | 1 | ● | ||
除細動 | 1 | ● | ||
酸素投与 | 1 | |||
止血 | 1 | ▲ | ||
被覆、固定 | 1 | ▲ | ||
体位管理 | 1 | ● | ||
自動心マッサージ器 | 1 | ● | ||
特定行為準備 | 器具気道確保、気管挿管、静脈路確保、薬剤準備など | 5 | ● | |
新任研修 | 資器材取扱い | 6 | ● | |
各種搬送法 | 1 | ● | ||
感染と消毒 | 1 | ● | ||
現場活動 | 1 | ● | ||
小隊訓練 | 小隊訓練 | 内因性想定訓練(緊急度、重症度判断含む) | 5 | |
外因性想定訓練(緊急度、重症度判断含む) | 5 | |||
他隊連携訓練(多数傷病者・救助等) | 5 | |||
その他消防本部が必要と認める訓練 | 5 | |||
集合研修 | 緊急度、重症度判断研修 | 2時間未満52時間以上10 | ● | |
安全管理、危機管理研修 | ||||
接遇、倫理研修 | ||||
所属研修項目・単位 | ||||
所属研修 | 各種プロトコル研修 | 2時間未満 5 2時間以上 10 | ||
感染防止研修 | ||||
救急関連法規 | ||||
救急活動事例・症例検討会等 | ||||
メディカルコントロール体制研修 | ||||
災害時における医療機関との連携研修 | ||||
搬送及び受入の実施に関する研修 | ||||
オリオン(救急データ)に関する研修 | ||||
その他本部で必要と認める研修 |
※重要項目にあっては早期に教育を実施すること。
※教育単位項目は一定の項目に偏ることなく、バランスよく取得すること。
●:必須項目 ▲:準必須項目
(別表1―2)
兼任救急隊員教育
区分 | 項目 | 内容 | 1回あたりの単位 | 重要項目 |
教育項目・単位 | ||||
個人教育 | 知識 | 救急学科教育 | 1 | ▲ |
効果測定(救急救命士養成課程受講者は重要) | 6 | ▲ | ||
観察等 | 状況観察、初期評価 | 1 | ● | |
血圧・血中酸素飽和度などのバイタル | 1 | ● | ||
心電図 | 1 | ● | ||
応急処置 | 口腔内清拭、吸引、咽頭異物除去 | 1 | ● | |
用手気道確保 | 1 | ● | ||
BVMによる人工呼吸、胸骨圧迫 | 1 | ● | ||
除細動 | 1 | ● | ||
酸素投与 | 1 | ▲ | ||
止血 | 1 | ▲ | ||
被覆、固定 | 1 | ▲ | ||
体位管理 | 1 | ▲ | ||
自動心マッサージ器 | 1 | ● | ||
特定行為準備 | 器具気道確保、気管挿管、静脈路確保、薬剤準備など | 各1 | ● | |
資器材 | 資器材取扱い | 6 | ● | |
小隊訓練 | 各本部で必要と認める訓練① | 5 | ||
各本部で必要と認める訓練② | 5 | |||
所属研修項目・単位 | ||||
所属研修 | 各本部で必要と認める研修( ) | 2時間未満 5 2時間以上 10 | ||
各本部で必要と認める研修( ) | ||||
各本部で必要と認める研修( ) |
※教育単位項目は一定の項目に偏ることなく、バランスよく取得すること。
●:必須項目 ▲:準必須項目
(別表1―3)
専任救急隊員教育
区分 | 項目 | 内容 | 1回あたりの単位 | 重要項目 |
教育項目・単位 | ||||
個人教育 | 知識 | 救急学科教育 | 1 | ▲ |
効果測定(救急救命士養成課程受講者は重要) | 6 | ▲ | ||
観察等 | 状況観察、初期評価 | 1 | ● | |
血圧・血中酸素飽和度などのバイタル | 1 | ● | ||
心電図 | 1 | ● | ||
応急処置 | 口腔内清拭、吸引、咽頭異物除去 | 1 | ● | |
用手気道確保 | 1 | ● | ||
経鼻エアウェイ | 1 | ▲ | ||
経口エアウェイ | 1 | ▲ | ||
BVMによる人工呼吸、胸骨圧迫 | 1 | ● | ||
除細動 | 1 | ● | ||
酸素投与 | 1 | ● | ||
止血 | 1 | ● | ||
被覆、固定 | 1 | ● | ||
喉頭展開、異物除去 | 1 | ▲ | ||
体位管理 | 1 | ● | ||
自動心マッサージ器 | 1 | ● | ||
特定行為準備 | 器具気道確保、気管挿管、静脈路確保、薬剤準備など | 各1 | ● | |
小隊訓練 | 小隊訓練 | 内因性想定訓練(緊急度、重症度判断含む) | 5 | |
外因性想定訓練(緊急度、重症度判断含む) | 5 | |||
他隊連携訓練(多数傷病者・救助等) | 5 | ▲ | ||
その他消防本部が必要と認める訓練 | 5 | |||
所属研修項目・単位 | ||||
所属研修 | 各種プロトコル研修 | 2時間未満 5 2時間以上 10 | ||
感染防止研修 | ||||
安全管理、危機管理研修 | ||||
接遇、倫理研修 | ||||
緊急度、重症度判断研修 | ||||
救急関連法規 | ||||
救急活動事例・症例検討会等 | ||||
メディカルコントロール体制研修 | ||||
災害時における医療機関との連携研修 | ||||
搬送及び受入の実施に関する研修 | ||||
オリオン(救急データ)に関する研修 | ||||
その他本部で必要と認める研修 |
※教育単位項目は一定の項目に偏ることなく、バランスよく取得すること。
●:必須項目 ▲:準必須項目
(別表1―4)
救急隊長教育
区分 | 項目 | 内容 | 1回あたりの単位 | 重要項目 |
教育項目・単位 | ||||
個人教育 | 知識 | 救急学科教育 | 1 | ▲ |
効果測定(救急救命士養成課程受講者は重要) | 6 | ▲ | ||
観察等 | 状況観察、初期評価 | 1 | ● | |
血圧・血中酸素飽和度などのバイタル | 1 | ▲ | ||
心電図 | 1 | ▲ | ||
応急処置 | 口腔内清拭、吸引、咽頭異物除去 | 1 | ||
用手気道確保 | 1 | |||
経鼻エアウェイ | 1 | |||
経口エアウェイ | 1 | |||
BVMによる人工呼吸、胸骨圧迫 | 1 | |||
除細動 | 1 | |||
酸素投与 | 1 | |||
止血 | 1 | |||
被覆、固定 | 1 | |||
喉頭展開、異物除去 | 1 | |||
体位管理 | 1 | |||
自動心マッサージ器 | 1 | |||
特定行為準備 | 器具気道確保、気管挿管、静脈路確保、薬剤準備など | 各1 | ● | |
小隊訓練 | 小隊訓練 | 内因性想定訓練(緊急度、重症度判断含む) | 5 | ● |
外因性想定訓練(緊急度、重症度判断含む) | 5 | ● | ||
他隊連携訓練(多数傷病者・救助等) | 5 | ● | ||
その他消防本部が必要と認める訓練 | 5 | ● | ||
所属研修項目・単位 | ||||
所属研修 | 各種プロトコル研修 | 2時間未満 5 2時間以上 10 | ● | |
感染防止研修 | ● | |||
安全管理、危機管理研修 | ● | |||
接遇、倫理研修 | ● | |||
緊急度、重症度判断研修 | ● | |||
救急関連法規 | ▲ | |||
救急活動事例・症例検討会等 | ▲ | |||
メディカルコントロール体制研修 | ▲ | |||
災害時における医療機関との連携研修 | ▲ | |||
搬送及び受入の実施に関する研修 | ▲ | |||
オリオン(救急データ)に関する研修 | ▲ | |||
その他本部で必要と認める研修 | ||||
隊長研修 | 病院交渉研修(病院選定、医師引継など) | ● 昇任時の研修等を活用可 | ||
現場観察、判断、処置研修 | ||||
現場指揮、統制(隊員管理)、他隊連携研修 |
※教育単位項目は一定の項目に偏ることなく、バランスよく取得すること。
●:必須項目 ▲:準必須項目
(別表1―5)
通信指令員救急教育
項目 | 到達の目標 | 重要項目 |
通信指令管制実践項目 | ||
救急業務における指令員の役割 | 通報から救急隊到着までの対応の重要性 | ● |
救命の連鎖 | ● | |
救急業務の現状 | 搬送件数の推移と将来予測 | |
ウツタイン統計 | ||
不搬送などの不要救急について | ||
救急現場活動 | 指令から医療機関到着までの活動 | ● |
救急救命士が行う特定行為について | ● | |
救急隊員が行う処置範囲について | ● | |
メディカルコントロール体制 | オンラインMCとオフラインMC | |
救急医療体制 | 救命センター・その他医療機関 | |
搬送と受入れ実施基準に係る運用状況 | ||
緊急度・重症度識別 | DRカー・DRヘリの要請、他隊連携の要請 | ● |
集団災害でのトリアージ | ● | |
救急隊への情報伝達 | 救急隊への適切な情報の伝達 | ▲ |
口頭指導要領 | 各種プロトコールの理解 | ● |
模擬トレーニングなど | ||
救急車同乗 | (任意で実施) | |
医学基礎教育項目 | ||
解剖・生理 | 生命維持のメカニズム | |
心停止に至る病態 | 心筋梗塞、脳血管障害、呼吸器疾患、高エネルギー外傷 アレルギー、窒息など(死戦期呼吸など含む) | ▲ |
心肺蘇生法 | 胸骨圧迫の重要性、人工呼吸の意義 | ● |
AED | 電気ショックの適応、不適応の心電図 (心室細動、無脈性心室頻拍など) | ● |
その他口頭指導が必要な病態 | 気道異物、出血、熱傷、切断など | ▲ |
※教育単位項目は一定の項目に偏ることなく、バランスよく取得すること。
●:必須項目 ▲:準必須項目