○泉州南消防組合警防基礎教育実施要綱
令和2年8月31日
泉州南消防組合消防長訓令第13号
(目的)
第1条 この要綱は、泉州南消防組合警防規程(平成28年泉州南消防組合消防長訓令第8号)第38条第6号に基づき、警防基礎教育(以下「基礎教育」という。)について必要な事項を定め、基礎教育が必要な職員(以下「教育対象者」という。)に対し、警防活動に必要となる知識及び技能を習得させるとともに、消防業務を遂行するために必要な心身の育成を目的とする。
(教育対象者の範囲)
第2条 教育対象者は、消防学校初任教育を修業後、人事異動により初めて隔日勤務(指揮司令課を除く)として配属された職員、若しくは、隔日勤務(指揮司令課を除く)の職員で、人事異動、事故等により基礎教育の履修が終了していない職員をいう。
(教育管理者の選任)
第3条 署長及び分署長(以下「署長等」という。)は、自所属の課長代理級以上の職にある職員の中から、警防第1課及び警防第2課(以下「両警防課」という。)に、基礎教育に関する管理者(以下「教育管理者」という。)を1名ずつ選任し、これを指揮監督して教育対象者への基礎教育が効果的に行われるよう、教育環境の整備に努めなければならない。ただし、教育対象者が自所属内にいない場合についてはこの限りでない。
(教育担当者の選任)
第4条 教育管理者は、基礎教育に必要な知識及び技能を有する者の中から、両警防課に教育対象者への基礎教育に関する担当者(以下「教育担当者」という。)として主担当及び副担当をそれぞれ選任する。
2 教育担当者の主担当は係長級以上、副担当は主任級以上の職にある職員とする。
(教育管理者の責務)
第5条 教育管理者は、教育担当者を指揮監督して、教育対象者への基礎教育を実施しなければならない。
(教育担当者の責務)
第6条 教育担当者は、別表に定める履修項目に基づき、教育対象者の知識及び技能等の習得に努めなければならない。
2 教育担当者は、常に教育の重要性を自覚し、進んで教育者としての研さんに努めなければならない。
(教育管理者及び教育担当者の任期等)
第7条 教育管理者及び教育担当者(以下「教育管理者等」という。)の任期は、当該年度の4月1日から翌年3月31日までの1年とする。なお、再任は妨げない。
2 教育管理者等が、人事異動、事故等により不在の時は、それぞれの選任権者がその代理者を指名し、その職務を代理させるものとする。なお、任期にあっては、前任者の残任期とする。
(教育対象者の責務)
第8条 教育対象者は、次に定める事項を遵守しなければならない。
(1) 規律に従い、誠実かつ積極的に基礎教育を履修すること。
(2) 取得した知識及び技能を職務に十分反映させること。
(3) 履修した教育内容に沿って自己研さんに努めること。
(教育対象者の教育期間及び内容)
第9条 署長等は、教育対象者が隔日勤務となった日から6箇月以内に、別表の履修項目のすべてを履修させなければならない。ただし、人事異動、事故等により教育期間内に履修が困難な場合は、教育管理者に基礎教育が履修可能な期間を設定させ、履修させるものとする。
3 署長等は、前項の報告書を決裁した上で保存及び管理するとともに、教育管理者に対し基礎教育の履修状況の改善を指示するなど、必要な措置を講じるものとする。
4 署長等は、教育対象者が基礎教育の履修を終了することなく他所属に人事異動する場合、異動先の署長等に履修状況等の引き継ぎを行うこと。なお、新年度に伴い自所属の教育管理者及び教育担当者が変更となる場合については、前任者と後任者の間で引き継ぎを行うものとする。
(その他)
第11条 この要綱に定めるもののほか、その他必要な事項については警防部長が決定するものとする。
附則
この訓令は、令和2年10月1日から施行する。
附則(令和3年3月8日消防長訓令第4号)
(施行期日)
1 この訓令は、令和3年3月8日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際、現にある改正前の様式は、改正後の様式によるものとみなす。
別表(第6条関係)
警防基礎教育履修項目一覧表
区分 | 履修番号 | 履修項目 | 重要項目 | 履修項目の詳細 |
個人教育 | 1 | 積載資器材の点検要領及び取扱いについて | ○ | □消防車に積載している資器材の名称を理解し、各資器材の点検方法を習熟する。 |
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□消防車に積載している資器材の諸元及び取扱い方法を習熟する。 | ||||
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2 | 現場外套の性能及び着装について | ○ | □現場外套の性能を理解する。 | |
(例 ヒートストレス予防のため、夏場に活動服を脱いだ状態で現場外套を着装することにより、受傷度(熱傷)が重くなるなど) | ||||
□現場外套を迅速かつ正確に着装できる。 | ||||
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3 | 現場及び訓練時における安全管理の徹底について | ○ | □PPE(個人防護具)は活動時の基本であり、徹底していなければ受傷する可能性があることを理解し、各災害現場に適したPPEを選択できる。 | |
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□現場や訓練時に自ら進んでPPEの徹底を図ることができる。 | ||||
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4 | 空気呼吸器の着装、取扱い等について | ○ | □空気呼吸器の性能を理解し、正しく取扱うことができる。 | |
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□空気呼吸器を迅速かつ正確に着装できる。 | ||||
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□残圧から活動時間を瞬時に計算することができる。 | ||||
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個人教育 | 5 | 基本結索について | ○ | □初任教育で履修する基本結索を迅速かつ正確に作成することができる。 |
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□配属場所の消防車に積載している各資器材に、正しく器具結着することができる。 | ||||
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□ロープの使用状況や結索することにより強度が低下することを理解する。 | ||||
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6 | 車両の誘導について | ○ | □車両の誘導位置、誘導方法等を理解する。 | |
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□危険を知らせる場合又は肉声だけでは誘導に支障がある場合、警笛等を使用するため、それらの使用方法を理解する。 | ||||
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7 | 救助出動時の活動について | □建物事故での活動内容について理解する。 | ||
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□建物事故以外の活動内容について理解する。 | ||||
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8 | 事故等出動時の活動について | □事故等出動時の活動内容について理解する。 | ||
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9 | 管そう、ガンタイプノズル等の特性及び取扱いについて | ○ | □配属場所の消防車に積載している管そう、ガンタイプノズル等の特徴や、火災の種類によって使い分ける必要があることを理解し、考えて選択し正しく使用することができる。 | |
また、泡消火薬剤の教養(当組合が保有しているクラスC消火薬剤は2種類あり、合成界面活性剤泡消火薬剤は石油タンクなどではなく、A火災時に効果的で、水成膜泡消火薬剤は石油タンク火災や航空機火災時に効果的など)も併せて行うことにより、積載している消火薬剤の特徴を指導する。 | ||||
個人教育 | 10 | 破壊器具の取扱いについて | ○ | □破壊器具の使用方法を習熟し、用途(建物の扉、車両等)に応じて適した器具の選定及び使用方法を選択できる。 |
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11 | 屋内進入要領について | ○ | □屋内進入時の装備(ライト、警報器等)や現場外套の着装方法(シールド、しころ等)について理解し、使用できる。 | |
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□屋内進入方法や、放水による受傷危険等を正しく理解する。 | ||||
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12 | エンジンカッターの性能及び取扱いについて | ○ | □配属場所の消防車に積載しているエンジンカッターの諸元や構造を理解し、点検整備することができる。 | |
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□切断する物に応じて切断方法が違うことを理解し、用途(シャッター、スチール扉等)に応じて適した切断方法を選択でき、正しく使用することができる。 | ||||
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13 | 林野火災対応資器材の取扱いについて | □林野火災対応資器材の使用方法を習熟する。 | ||
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14 | 水損防止について | ○ | □災害現場において、水損防止措置を正しく設定することができる。 | |
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15 | AVMの取扱い方法について | □AVMの取扱い方法を理解する。 | ||
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分隊訓練 | 16 | ホースバッグの取扱いについて | ○ | □ホースバッグの延長方法及び収納方法を理解し、迅速にホース延長ができる。 |
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分隊訓練 | 17 | 消防ホースの性能及び延長要領について | ○ | □ホースの性能等を理解する。 |
(例 「65mmホース○本+40mmホース○本延長し筒先は1階玄関前に部署しているため、ポンプ圧力○㎫で放水はじめ」など、瞬時に損失計算できるよう指導するなど) | ||||
□ホース延長及び固定措置を確実に行うことができる。 | ||||
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18 | ホースカーの取扱いについて | ○ | □どのような場合にホースカーを使用するかを理解し、ホースカーの取扱いについて習熟している。 | |
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19 | 積載はしごの性能及び取扱いについて | ○ | □配属場所の消防車に積載しているはしごの諸元や使用方法を理解する。 | |
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□配属場所の消防車に積載しているはしごを、迅速かつ正確に操作することができる。 | ||||
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20 | かかえ救助、応急はしご救助について | ○ | □かかえ救助及び応急はしご救助の各番員を正確に実施することができる。 | |
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21 | 泉州南消防組合の消火戦術について | □「泉州南消防組合消火戦術」を理解する。 | ||
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座学教育 | ||||
22 | 泉州南消防組合の災害出動計画について | □災害の種類や規模によって出動隊が異なることを理解する。 | ||
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23 | 管内の特徴及び災害出動状況について | □管轄地域の特徴(火災防御が困難な地域や事故多発地域など)を理解する。 | ||
管轄地域のハザードマップなどを参考に、住宅密集地などの消防活動が困難な地域、交通量が多く事故が多発する場所などを指導する。また、消防年報などを参考に、組合の災害出動状況を指導する。 | ||||
24 | 管内の地水利について | ○ | □管轄地域の防火対象物、道路、水利及び交通状況等を理解する。 | |
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座学教育 | 25 | 火災出動時の活動について | □火災現場へ出動した際の初動や、現場で関係者等から聴取した情報の取扱いについて理解する。 | |
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□消防団との連携活動について理解する。 | ||||
(例 65mm戦術が基本である消防団との相掛りは禁忌であることや、消防団は無線を保有していないため、屋内進入時は口頭で放水停止を呼びかけるなど) | ||||
26 | 一般建物火災の特徴及び活動要領について | □一般建物火災の特徴を理解させ、現場に応じた活動ができる。 | ||
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27 | 中高層建物火災の特徴及び活動要領について | □中高層建物の様々な特徴を理解させ、現場に応じた活動ができる。 | ||
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28 | 火災警戒区域及び消防警戒区域について | □火災警戒区域及び消防警戒区域の違いや、どのような場面で、どの範囲に設定しなければならないかを理解する。 | ||
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29 | デジタル無線機について | □泉州南消防組合が使用しているデジタル無線機の取扱いについて理解する。 | ||
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30 | 消防活動空地について | □どのような防火対象物に消防活動空地が設置されているか、また、消防活動空地が設置されている防火対象物での活動等について理解する。 | ||
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座学教育 | 31 | 消防用設備の活用方法について | □どのような防火対象物にどの消防用設備が設置されているか、また、設置されている消防用設備の使用方法を理解し、使用することができる。 | |
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32 | 林野火災の特徴及び活動要領について | □林野火災時の消火戦術、防火線の種類、消火方法を理解する。 | ||
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33 | 緊急消防援助隊について | □どのような場合に緊急消防援助隊に派遣されるか、また、泉州南消防組合が緊急消防援助隊大阪府大隊として派遣する車両や、派遣する場合の資器材の準備方法などを理解する。 | ||
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34 | 各応援協定等について | □泉州南消防組合が締結している各応援協定について理解する。 | ||
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※重要項目にあっては、早期に教育を実施し、履修後も継続して教育を行うこと。